現状を考えると、子どもへの感染はいつ起きてもおかしくなかった。学校は感染者が出るという前提で対策を考えないといけない。子どもの不安をどのように鎮めるのか、保護者の不安をどのように鎮めるのか、感染者が出たら学校はどう動くのかという三つの対策が必要だ。
どこの学校で感染者が出たのか知りたくなるのが自然な感情だと思うが、感染者にとっては探られること自体がプレッシャーだ。SNSで探るという行為自体が、いじめだと認識する必要がある。大人の不安やいらだちは子どもに伝わり、子どもの不安はいじめにつながる。保護者には思慮ある対応をしてほしい。
学校は、感染者本人や周りの子どもをどうケアするのか、保護者から問い合わせがあった時にどう答えるのか、具体的な対策を用意しておく必要がある。対応を「見える化」することも大切だ。
東日本大震災後、福島県では教員の研修ができなくなった。その一方で、教員と子どもがゆっくり話せる時間を生み出せて、不安を和らげることができたという。子どもの心をケアするためには、ゆとりある学校運営が必要だ。
(生活指導)