沖縄県「観光復興計画」9月にも策定 客数より体制構築目指す


社会
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沖縄県庁

 新型コロナウイルス感染症による沖縄観光への影響を踏まえ、沖縄県が「観光復興計画(仮称)」の策定を進めていることが21日、分かった。感染症の防疫体制の構築と観光客の受け入れ態勢の強化に向けて、必要な取り組みをまとめている。県が入域観光客数や観光収入額の目標値を定め、毎年公表している「ビジットおきなわ計画」の代替に位置付け、沖縄観光復活への新たな行動指針として打ち出す考え。

 県の渡久地一浩文化観光スポーツ部長が同日、沖縄経済同友会の講演会で計画の骨子を示した。県は今後、骨子を基に沖縄観光コンベンションビューロー(OCVB)など関係団体と意見交換を経て素案を策定する。9月上旬の公表を目指している。

 渡久地部長は「今年に関しては入域客数などの数値よりも、受け入れ態勢をしっかり整える計画を立てた方がいいと考え、準備を進めている」と説明した。

 骨子は「ウィズコロナ時代においては、防疫体制を維持し、世界から選ばれる観光地の形成に向けて新たな受け入れ態勢の強化を図る観点から、沖縄観光復活への行動指針を定める必要がある」と計画策定の意義を掲げた。このうち防疫体制について、本島と離島の空港に設置する旅行者専用相談センター(TACO)による水際対策のほか、人工知能(AI)や第5世代(5G)移動通信システムを活用した防疫体制の構築などを掲げた。「全島キャッシュレス宣言」として、コンタクトレス決済を推進する姿勢なども示されている。

 受け入れ態勢は海外観光客の積極的な誘客に向けて、空港に降り立った旅客が目的地まで向かう2次交通の利便性向上、インバウンドが利用できる医療体制の整備などを示した。