GoTo事業に「見切り発車だ」 沖縄の事業者は宿泊増でおおわらわ


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「Go To トラベル」の還付に必要な書類について説明するホテルスタッフ=22日、那覇市の東急ステイ沖縄那覇

 23日から4連休が始まり、沖縄観光は最盛期を迎える。新型コロナウイルス感染症の影響で観光産業は打撃を受けているが、政府の観光支援事業「Go To トラベル」の開始もあり、沖縄を訪れる観光客は今後増加する見込みだ。例年よりも減少した観光需要を獲得しようと競争が続く中で事業が始まり、ホテルなどは対応に追われた。

 日本航空(JAL)によると、連休前半の沖縄に到着する便の予約率は8割以上となっている。ホテル客室稼働率にはばらつきがあるが、高い水準まで回復したホテルもある。GoToトラベルに参加する予定の東急ステイ沖縄那覇では、連休前半の稼働率は7割以上になる。22日はチェックイン時間に合わせて「宿泊料金還付について」との貼り紙を掲示。旅行客が還付を受ける際に必要な「宿泊証明書」を発行することなどを説明した。

ホテル内のエレベーターに張り出した「Go To トラベル」の還付に関する説明書

 ただ、事業の詳細が示されておらず、客からの問い合わせに対して対象事業者と断言できずにいる。石川武則支配人は「開始までには詳細が出ると思っていたが見切り発車だ。動くにも動けない」と話した。

 那覇市内のホテルは稼働率が30%に届かず、売り上げ増のためにも事業に参加する予定だが、感染拡大の不安はぬぐえない。総支配人は「お客さんに来てほしいが、仮にホテルで感染者が出て休業を余儀なくされたらもっと困る」と話す。

 県は22日から、那覇空港で発熱者の唾液を採取して抗原検査を実施するとしたが、陽性反応が出た場合の移送方法などは当日朝にも定まっていないままだった。県は当面、保健医療部の職員2人を配置し、唾液の採取は空港外にある車両で行う。同日午前10時過ぎ、那覇空港内を視察した玉城デニー知事は現場の混乱について質問され「今日中で(現場まで)全て伝わる」と話した。

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