石垣第二女子 コンビバレーに磨き 集大成へ総合力で挑む<沖縄県中学夏季総体>


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最後の夏を優勝で飾るため練習を重ねる石垣第二中学校女子バレーボール部の3年生 =16日、同校体育館

 【八重山】今年1、2月と立て続けに県大会を制した石垣第二中学校女子バレーボール部が、23日に開幕する中学の八重山地区夏季総合体育大会の優勝、さらには9月開催に向けて調整が進む県大会の実現に希望をつなぎ、全中の中止決定で一度消えかけた闘志を再びたぎらせている。

 3年生部員10人のうち8人は、小学校時代に八島マリンズで全国経験のあるメンバーだ。昨年は新入部員がいなかったため、今年1、2月の県大会はベンチメンバー数を満たさない中での出場だったが、女子バレー部初の優勝をつかみ取った。

 八島マリンズの監督でもある上地みか石垣第二中女子バレー部コーチは「(小学4年生からの)6カ年計画で全国で戦えるチームを目指してきた」と強さの背景を語る。

 気持ちを一つに競技に打ち込んできた選手たち。中学から一緒になったメンバーを含め、小学校から続くチームの集大成となる中学最後の総体に臨むはずだった。しかし新型コロナウイルスの影響で、全中と県総体の中止が相次ぎ決定した。失意は大きく、次第に練習でコートに響いていた掛け声は消えた。

 そんな状況で決まった地区大会や、浮上している9月の県大会実施がチームに希望の光を与える。全国の舞台こそ踏めないが、培ってきたチームバレーを発揮しようと、新たに入部した1年生14人と共に練習を重ねる。

 昨年末には全日本ユース合宿にも参加した身長181センチのエーススパイカー藤本鴻花に注目が集まるが、上地コーチはチームの強さを「総合力」と評する。許田恵冬主将は「1人が崩れても、みんなで支えて全体が崩れない」ことを強さに挙げる。

 大会に向けて選手独自で、新たなコンビプレーの練習もしているという。上地コーチは「どんなプレーを見せてくれるか楽しみだ」と目を細める。

 「全日本選手に選ばれたい」と目標を掲げる藤本は、県外の高校でプレーするつもりだという。ほかの部員もそれぞれの進路を模索中だ。小学校から続いてきたチームにとって最後の夏となる。藤本は「このメンバーで優勝して、最後は笑顔で終わりたい」とコートに向かう。
 (大嶺雅俊)