沖縄らしいSDGsを行動のしるべに 県の万国津梁会議が施策案など議論


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
オンラインで議論するSDGsに関する万国津梁会議の委員ら=21日、県庁

 国連の「持続可能な開発目標(SDGs)」について、沖縄県が設置している有識者らの「SDGsに関する万国津梁会議」に関する万国津梁会議(委員長・島袋純琉球大教授)の2020年度第2回会議が21日、オンラインで開かれた。8月末に予定する中間取りまとめに向けての方向性や作業工程を議論した。会議で議論する「沖縄らしいSDGs」は、行政施策に縛られず、SDGs推進へ広く県民の行動のしるべとなるものを目指すことを確認した。

 会議には、島袋さんのほか慶応義塾大学大学院教授の蟹江憲史さん、沖縄銀行総合企画部執行役員部長の佐喜真裕さん、JICA沖縄センター長の佐野景子さん、沖縄キリスト教学院大学准教授の玉城直美さん、金沢工業大学准教授でSDGs推進センター長の平本督太郎さんが出席した。

 会議資料に「中間取りまとめを沖縄振興計画の骨子案に反映させることを目指す」とあった点について、佐野さんは「この会議の目的ではない。県の施策ベースではなく、企業や個人の行動のよりどころになるものを作るのではないのか」と指摘した。県民ニーズや地域の課題を立脚点にまとめ、県に提案していく方向性を確認した。

 重要課題は沖縄の課題と世界的な目標の両方を見据えて検討する。佐喜真さんは「SDGsに関心もない人を含めた幅広い県民の参加が必要だ」と提起した。意見を集める方策として夏休みの児童生徒を対象とした意見集約コンテスト、インターネットを介した県民会議、離島に出向いての聞き取りなどの案が上がった。