沖縄美ら島財団・花城理事長が再任 首里城再建 責務果たす 火災の責任「非常にある」


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首里城火災を受けて、「何らかの形で報いたい」と語る沖縄美ら島財団の花城良廣理事長=22日、那覇市泉崎の琉球新報社

 昨年10月末に火災が発生した首里城公園の指定管理を受ける沖縄美ら島財団(本部町)はこのほど、理事会と評議会を開き、現理事長の花城良廣氏(69)を再任した。8日付。任期は2年で、歴代最長の4期目となる。花城氏は22日、再任あいさつで那覇市泉崎の琉球新報社を訪れた。火災を起こした責任について「責任はいろいろな取り方がある。原因ははっきりしていない。責任は非常にあるが、どういう形で責務を果たしていくのかだ」と述べ、続投することで責任を果たしていく考えを示した。

 那覇市消防局と県警の調査では首里城火災の原因は不明だ。国から管理委託を受ける県は第3者委員会「首里城火災に係る再発防止検討委員会」を設置して、再発防止や防火対策、管理体制の在り方を検証している。国は全焼した正殿の復元を進めており、2026年度の完成を目指す。

 花城氏は今後、財団自ら防火体制を検証した上で新たな防火マニュアル作りに着手するとした。また火災で焼失した美術工芸品の修復を急ぎ、正殿が復元した時の展示を目指すとした。地域と一体となった運営の在り方も検討する考えだ。

 花城氏は首里城火災を受け、「当時のショックはまだ引きずっている。だが心の半分は再建に向かっている」と胸の内を明かした。首里城火災に加え、新型コロナウイルスの影響も相まって、指定管理を受ける沖縄美ら海水族館も客足が減少している。花城氏は「厳しい環境ではあるが、県民の信頼を勝ち取り財団の経営を安定させていくのが私の残された責務だ」と語った。

 花城氏は1977年に前身の「海洋博覧会記念公園管理財団」に採用された。2014年に生え抜き職員から初めて理事長に就任した。8日の理事会と評議会では常務理事の後藤和夫氏が退任し、新たに日本公園施設業協会専務理事の角南勇二氏が就任した。