解散風で「暑い夏」? 沖縄の国会議員ら両にらみ


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 次期衆院選を巡り今秋の解散総選挙が取り沙汰される中、県選出・関係国会議員にも解散を警戒する動きが出始めている。新型コロナ感染症の再拡大が懸念される中「解散はやりづらいのではないか」(与党議員)との分析がある一方、任期満了まであと1年近くとなり「いつ解散してもおかしくない」(野党議員)との見方もあり、思いは交錯する。自民党関係者は、解散権を握る首相の胸中を推し量りながら「暑い夏になりそうだ」と語る。

 前回選挙で自民党から唯一選挙区で勝ち上がった沖縄4区の西銘恒三郎氏は名前を入れていないポスターを作成し、選挙区内での貼り出しを始めた。6月の県議選のお礼を兼ねた市町村議との意見交換も積極的に行っている。九州の豪雨や新型コロナ感染者の増加で「解散風は落ち着きつつあるのではないか」と語る一方、「毎日こつこつやるしかない」と気を引き締めた。

 昨年4月の沖縄3区補選で初当選した屋良朝博氏(国民)は、「当選から2カ月おきに解散のうわさを聞いてきた」と振り返った。一方、新型コロナで自粛していた街頭での手振りを7月に入って再開した。「選挙用ではない」としつつ、ポスターを刷るなど警戒を怠らない。「衆議院は常在戦場だ。(任期満了となる)来年10月までには必ず選挙がある」と冷静に語った。

 比例九州ブロックでは、公明党が前県議の金城泰邦氏の擁立を決定するなど、準備を進める。公明党の斉藤鉄夫幹事長は「(任期満了まで)残り少ない中での準備の一環だ。解散が早いと見込んでいるわけでは全くない」と話しつつも「政党人として、いつ選挙があってもいいように戦える気構えと準備はしないといけない」と強調した。