モバイルプリンス
動画サイト「YouTube」では動画の間に企業からの広告が流れることがあります。
これらの内容が視聴者を傷つけると批判の声が集まり、抗議の署名運動が起きています。
ダイエットサプリを売りたいがために「太っている女性がひどい目にあい、ダイエットサプリを飲む…」という内容の広告が流れてくるのです。
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このように、人の見た目や体型などにネガティブなイメージを植え付け、それを解消するための商品を「コンプレックス商材」【※1】と呼びます。
中でも美容系・健康食品系の商品は正しい情報で宣伝するよう、法律で細かくルールが定められていますが、あまり守られていないグレーな広告が多いのも問題です。
※1 コンプレックス商材 … 脱毛に関する広告、あるいは増毛薬など人の「毛」に関する商品、ダイエットや美容サプリなどがコンプレックス商材にあたります。漫画形式で、その「商材を使っていないと不幸になる」といった広告が多いのが特徴です。
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人の外見を過度に評価対象にすることを「ルッキズム」【※2】と呼びます。
本来は考え方や行動、性格などいろいろな要素で「その人」ができています。
しかし過度に見た目だけで評価をすると、「自分は太っているからダメな人間だ」「鼻が低くてブサイクだ」と、自分のほかの可能性を捨て、ネガティブな世界に閉じこもることにもつながります。
コンプレックス商材は「ルッキズム」を後押しし、思春期の皆さんの心をマイナス方向へ引っ張るのです。
こうした広告を回避する方法は月額1180円(税別)のYouTube Premiumに加入するくらいしかありません。
いずれにしてもこうした商材や価値観があることを知り、自分が引っ張られないよう意識してみましょう。
※2 ルッキズム … 人を見た目で判断していくと、いずれ自分にも「ルッキズム」は跳ね返ってきます。残念ながらルッキズムはネットの世界だけでなく、一般社会でも広く普及している価値観です。
【プロフィル】
モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。