介護予防体操のネット配信を再開 ズームで北中城村 運動不足や孤立感の解消に


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 【北中城】新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、高齢者を対象にした自主体操サークルが休止となったことから、北中城村では、介護予防体操のオンライン配信を7月から始めた。イオンモール沖縄ライカム内のスタジオキタナカから、ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を使用した遠隔体操教室のオンライン配信で、毎週火曜日の午前10時半から約1時間生配信されている。

オンラインで生配信される遠隔体操教室=イオンモール沖縄ライカム内のスタジオキタナカ

 担当する北中城村役場福祉課の理学療法士の吉本有芳(ゆうか)さんは「自粛期間中、サークルでの体操ができず、みんなの顔が見えなくて寂しいという声があった。遠隔配信を通して運動不足や孤立感の緩和になる」と期待する。

 北中城村では地域住民の自主体操サークルが定着し、高齢者の孤立を防ぎ社会参加を支援することを目的に、2016年から地域のリーダーを養成してきた。現在11サークルが活動し、ラジオ体操や筋力体操、脳活ゲームなどを取り入れている。75歳以上の後期高齢者の参加が多く、自粛中は、サークル休止で運動不足による「高齢者のフレイル(虚弱)」が心配されていた。

 東京からオンラインでアドバイザーとして参加していた東京大学高齢社会総合研究機構学術支援職員の乾裕之さんは「シニアを対象とした遠隔体操教室は全国的にも珍しい。一方通行の動画配信と異なり、リアルタイムで相互に交流できるのが魅力で、参加者が楽しそうにしていたのが印象的。コロナ以降、シニアの方々のオンラインツールに対する挑戦意識や、それを後押しする仕掛けが一層大事になってきている」と話す。

 対象は北中城村民。高齢者だけでなく若い世代へも利用を呼び掛けている。問い合わせは北中城村役場福祉課高齢者福祉係(電話)098(935)2233。

(中曽根香通信員)