哨戒機のエンジン不具合 嘉手納基地で今月16日重大事故、米が非公表


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
嘉手納基地へ配備されているP8ポセイドン哨戒機

 米軍嘉手納基地で今月16日にP8A哨戒機がエンジンに関する不具合を起こし、米海軍安全センターが事故の深刻度を示す4分類のうち最も重大な「クラスA」に分類していたことが25日までに分かった。不具合のため緊急着陸したが、嘉手納基地はこの事故を公表していない。

 海軍安全センターによると、エンジンに入ってくる空気の乱れなどで正常に機能しなくなる「コンプレッサー・ストール(圧縮機失速)」の不具合を起こした。同センターは「安全に緊急着陸した」と表記しており、操縦士ら人員は無事だったとみられる。

 航空評論家の青木謙知氏は自動車などの「エンスト(エンジン・ストール)」に例え、航空機の失速・停止も原因や被害の程度は案件ごとにばらつきがあると説明した。その上で「航空機にとって重要なエンジンが故障すると補修して使うのではなく、安全面を考えて全て取り換える場合が多い。そのため被害額が高くなる」と指摘した。