クラスター疑い「夜の街」那覇・松山に衝撃 「冷や冷や…でも生活のため」


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
新型コロナ対策に苦慮しながら営業を続ける那覇市松山の繁華街=28日午後9時20分

 県内最大の繁華街那覇市松山の接待を伴う飲食店で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)の疑いが出た。少なくとも客ら男性6人が関連しているとみられる。感染が広がれば経路が追えない可能性もある「夜の街」では接客業の女性従業員の感染も増えているが、業界関係者は「生活のために働かなくては」と苦悩する。県幹部は「かなりの数になるのでは」とさらなる拡大を懸念する。 

 県が28日に発表した新型コロナの新たな感染者21人のうち5人が那覇市松山の接待を伴う同一の飲食店にいた可能性がある30~50代の男性だった。また、5人と接触したとみられる千葉県の50代男性は26日に感染が明らかになっている。合計で6人のクラスターとなる見込みで、50代男性は別の県内感染者との接触で感染したとみられている。

 男性らは21日以降に症状が出ている。26日に感染が確認された男性は18日ごろから沖縄に来ているという。県は男性客6人が同じグループとして飲食店に来店したのか、他の客や従業員との接触がないか調査。同時に千葉県の男性が接触したとみられる県内感染者の特定も急いでいる。

 県内では28日も含めて松山周辺などの“夜の街”での感染が相次いでおり、それぞれの感染の広がりに関連があるかも調べている。

 “夜の街”でのクラスター疑いは飲食業界関係者にも衝撃を与えている。那覇中央社交飲食業協会の伊波興治会長は「連休前から県外からのお客さんが多い。女性従業員も冷や冷やしている。それでも生活のためにどうしても働かないといけないという事情もある」と吐露。行政に対策を求めた。

 県は28日、第2段階に引き上げた警戒レベルの具体的な実施内容を発表した。その中で「夜の繁華街、特に那覇市の松山地域での感染が目立ってきている」と名指しで指摘。その上で「利用する店舗が3密対策をとっているか、ガイドラインの運用徹底を行っているか」を確認するよう利用客に向けて呼び掛けた。