「GoTo」見切り発車に商品販売追いつかず コロナ拡大で購入も鈍く


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 国内旅行の喚起策「GoToトラベル」事業が始まって29日で1週間がたった。27日から割引価格で商品の販売を始めた事業者もいる。一方で「見切り発車」とも指摘されている事業開始時の迷走からまだ正式な事業登録が始まっていないため、商品販売に踏み切れていない事業者が多い。販売開始した県内旅行社によると、新型コロナの感染が拡大していることもあり購入の動きは鈍いという。

 22日から同事業に参加するための仮申請が始まり、県内では旅行業者51社、宿泊業者376社が仮申請を済ませている。正式な登録手続きは31日から始まる。

 沖縄ツーリストは28日から対象商品の販売を始めた。感染防止ガイドラインを守っていると確認が取れたホテルを組み込み、35%の割引率にホテル割引券など独自の特典を上乗せして販売している。しかし県内の感染者が急増していることから売れ行きは芳しくない。担当者は「現状では旅行に行こうと言いづらい。感染が落ち着けば大々的に告知をしたい」と話した。

 サンセットヒル・ホテルズ&リゾーツ(恩納村)は仮登録を済ませたが商品販売には至っていない。連日、対象施設なのか客から確認の問い合わせがあるが、本登録がまだ始まっていないため明言できずにいる。旅行客が後から還付の手続きをできるよう、宿泊証明書と領収書を渡して対応している。4連休中は満室に近かったが、平日の稼働率はまだ30%程度と厳しい。根本博文総支配人は「GoToに期待するが、本登録がまだなので直接商品を販売するのは怖い」と話した。

 JALJTAセールスも仮申請を終えたが商品販売には至っていない。地域共通クーポンを使った旅行商品の造成を検討しており、情報が出るのを待っている。担当者は「サイトをずっと確認しているがまだ情報が上がってこない。不透明な部分があり混乱している」と話した。

 GoToトラベル事務局は8月9日に県内で改めて事業者向けの説明会を開く。