火災前夜の首里城写真を入手 鮮やかに照らし出された朱色 きょう消失9カ月


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作業用の照明に照らされた首里城=2019年10月30日午後11時37分(提供)

 首里城火災発生から31日で9カ月。昨年10月31日、首里城が火災に遭う直前の写真を、琉球新報が30日までに入手した。写真は、翌月に予定されていた組踊上演300周年記念公演の会場設営に関わった、舞台技術業者が設営作業の記録のため撮影した。
 10月30日午後11時37分に撮影された写真には、設営用の照明に照らされた首里城と、首里城御庭(うなー)で設営作業後の片付けをする業者の姿が映っている。

 那覇市消防局は、目撃情報などから火元は正殿1階北東側とみて調査してきたが、現場の焼損が激しく物証は見つけられなかった。同消防は3月、首里城火災の「出火原因は不明」と結論付けた。写真を撮影した舞台技術業者は正殿から電源は一切取らず、正殿内にも入らなかったが、直前まで御庭で作業をしていたため、火災との関連を疑われ風評被害を受けた。火災で焼失した機材の補償も受けられずにいる。