社会

「自然壊していいのか」 浦添市民ら心境複雑 軍港移設 北側案合意

那覇軍港移設先として県、那覇市、浦添市が合意した浦添市西海岸。左は亀瀬橋=18日午後、浦添市港川

 沖縄の原風景が残る貴重な自然海岸に軍港ができる―。予定地がある浦添市の松本哲治市長は米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の移設を巡り、県と那覇市が推す「北側案」の受け入れを表明した。「県民皆で考えるべきだ」「住民の声は」。現実味を帯びる計画に県民は複雑な表情を浮かべた。

 サンエー浦添西海岸パルコシティにつながる西海岸開発に期待を寄せる屋富祖通り会の銘苅俊一会長(43)は「移設が現実の話になると、きれいな海をつぶしていいのかと思ってしまう。辺野古移設は反対で盛り上がっているのに『なんで』と感じてしまう」と迫る現実に戸惑った。

 パルコシティが完成したことで軍港予定地の海を訪れる人々の姿も増えた。タクシー運転手の奥原徹さん(64)=浦添市=は「どんな工事になるか分からないが、きれいな海を埋めるのはもったいない。自分たちの力じゃどうにもならないことがもどかしい」と顔をしかめた。

 子どもと一緒に海で夕日を眺めていた50代女性=浦添市=は「ここはパルコシティができる前から子どもたちの憩いの場所だった。きれいに水平線が見えるのに、遮るものができるのは悲しい。住民の声は全く無視されているように感じる」とうつむいた。

 真夏の太陽で輝きを増す浦添市港川の自然海岸(通称・カーミージー)。定期的に観察会などを開いているしかたに自然案内の鹿谷麻夕代表(52)=中城村=は「この問題を浦添だけで考えていいのか。都市部に残るイノーをつぶしていいのか。半分でも壊されると残りも影響を受けるかもしれない。県民みんなで考える場をつくるべきではないか」と問い掛けた。

 現在、那覇軍港がある那覇市。軍港の地主らで構成する那覇軍用地等地主会の我那覇祥義会長は、固定資産税に関する過大徴収問題が残っているとして「那覇がいい街になることは必要だが、固定資産税の問題が解決されていない」と計画の進展を歓迎しながらも、複雑な心境を示した。



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