八重山が5点差逆転、粘ってつないで最後は激走 32年ぶり決勝へ 県高校野球夏季大会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
八重山―ウェルネス 10回表2死二、三塁、相手サードのエラーの間にホームに飛び込み生還する八重山の二走、内間敬太郎=1日、タピックスタジアム名護(新里圭蔵撮影)

 1988年の選手権沖縄大会の準優勝以来、夏の決勝から遠ざかっていた八重山が優勝に王手をかけた。

 しぶとくつなぐ打撃の真骨頂を発揮したのは、2点ビハインドで九回2死に追い込まれてからだった。6番亀川優が右越えの三塁打で出ると連打でたたみかけ同点に追いつく。試合は無死一、二塁から始まるタイブレークに突入した。先頭の下地寛太郎が犠打を着実に決めて進塁させるが、続く比嘉久人がショートライナーで2死に追い込まれた。

 打席にはこの日、無安打の伊志嶺拓磨が入る。ベンチからはノーサイン。「これが最後の打席かも」。悔いのないバッティングを決意して振り抜いた打球が敵失を誘った。三走が生還。二走の内間敬太郎主将も「コーチャーを見て迷いなく回った」。三塁を蹴って本塁へと飛び込んだ。

 タッチをかわした主将の生還で8点目。ベンチは歓喜した。内間は「どのチームよりも練習してきて(勝利を)信じていた。(勝ち越しホームインは)気持ちよかった」と顔に付いた泥を誇らしげにぬぐった。会場では見られない家族らのためにも「決勝も全力で臨むだけ」。勢いそのままに夏の頂点へ、いざ挑む。

(上江洲真梨子)