モズクの生産量が最高 2万2907トン 好天、水温安定で豊作


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水揚げされたモズク

 沖縄県もずく養殖業振興協議会(会長・上原亀一県漁連会長)は、2020年産のモズクの生産量を発表した。過去最高の2万2907トンを記録した。不作だった昨年の1万5745トンと比べ、45・5%増加した。水温が適温だったことなど、天候に恵まれ豊作となった。

 本モズクは生産目標の2万トンを11・7%上回る2万2356トンだった。一方、糸モズクは目標の700トンを20%下回る560トンだった。1キロ当たりの単価はともに200円前後で、比較的高値となっている。

 モズク生育の適性水温は25度以下と言われているが、昨年はモズクの生育期の11~12月に水温が高く、28度まで上がる日もあり、不作につながった。県水産海洋技術センター海洋資源・養殖班の近藤忍研究主幹は、今期の豊作について、漁前期の19年11月~12月で水温が25度を下回っていたことを要因に上げる。「日照などの環境要因が複合的に影響したが、水温が安定したことが(豊作に)つながっただろう」と分析する。

 モズク一大産地の勝連地区では、今期のモズク生産量は1万77トンだった。昨年の5906トンに比べ、70・6%増えた。勝連漁業協同組合では、昨年は不作のため1キロ当たりの単価を平年の1・5倍の300円まで上げるに至ったが、今年は200円に落ち着いた。

 近藤研究主幹は「水温が高くても生き残れるモズクの株を開発していく」と話した。