新電波塔設置へ目標額達成 FMやんばる、ネットで800万円以上集まる


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新電波塔建設に向けたクラウドファンディングに取り組んだFMやんばるの新城拓馬社長(中央)ら=7月31日、名護市の同局

 【名護】名護市のコミュニティーラジオ局「FMやんばる」(77・6メガヘルツ)が新電波塔設置に向けてインターネット上のクラウドファンディングで寄付を募ったところ、目標額600万円を上回る800万円以上が集まった。放送エリアが市内ほぼ全域をカバーできるようになり、年度内完成を目指す。同局は放送エリアの拡大で「災害情報のみならず、日常の防災・減災の情報も伝えていきたい」と意気込む。

 同局はこれまで名護市西海岸のみをエリアにしていたが、放送エリア拡大に向けて多野岳への電波塔設置を計画した。資金も準備していたが、新型コロナウイルスに伴う収入減に対応したため、クラウドファンディングで寄付を募ることにした。6月21日から7月30日の間、局で直接受け付けた現金寄付も合わせると808万2375円が集まった。終了後も寄付が寄せられているという。資金集めに奔走した新城拓馬社長は「予想を大きく上回る額が集まった」と達成を喜んだ。

 今後は国や市、業者と調整を進め、電波塔を設置する。収支はインターネット上で公開する予定だ。余剰金が出た場合は、ラジオを購入して独居高齢者世帯などに配布することも検討している。

 名護市民や市出身者、企業のほか、北海道滝川市など名護市の友好都市からも約800件の寄付があった。新城社長は「今後のFMやんばるに期待してほしい。みんなで造った電波塔で、みんなでつくる放送を届けていきたい」と感謝した。

(塚崎昇平)