観光収入4%減 7047億円 沖縄県19年度 8年ぶり前年度下回る


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 県文化観光スポーツ部は4日、2019年度の観光収入が前年比4%(293億1100万円)減の7047億4500万円だったと発表した。1人当たりの消費額は同1・4%(1051円)増の7万4425円だった。前年度を下回ったのは東日本大震災の影響を受けた2011年度以来、8年ぶりとなる。20年度は長引く新型コロナウイルスの影響でさらに減少すると予想される。

 日韓関係の悪化による韓国客の減少や1月末以降の新型コロナウイルス感染症の影響で外国客、国内客がともに急減したことが観光収入の減少につながった。

 1人当たりの消費額では、国内客は前年比0・3%(228円)増の7万6987円で「土産・買物費」と「飲食費」が増え、「宿泊費」と「交通費」、「娯楽入場費」が減少した。

 外国空路客は13・8%(1万2409円)増の10万2528円となり、台湾や中国などアジア客の消費が増えた。那覇空港の際内連結ターミナル内に土産品店が開業し「土産・買物費」の消費が増えたことが主な要因という。外国海路客は同29・8%(8457円)減の1万9886円だった。リピーターが増加したが同じ土産物を購入しないため買い物費が減少した。

 1人当たり消費額のうち「娯楽・入場費」が同7・4%減と最も減少率が大きい。県は、首里城焼失による入場費の減少が影響したと分析している。平均滞在日数は3・7日で前年の3・59日から0・1日増えた。

 渡久地一浩文化観光スポーツ部長は「大変厳しい状況だ。今の時期は観光マインドを低下させないようにオンラインで沖縄観光を体験できるような取り組みを進める」と話した。

 県は観光振興計画の「ビジットおきなわ」を毎年策定しているが、今年はその代わりとなる「観光復興計画」の策定を進めている。9月にも公表する予定。

 観光収入の計算は、県内の空港と港で実施したアンケートを基に、1人当たり観光収入に入域観光客数を掛けて割り出している。