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2019年度の観光収入が8年ぶりに前年を下回り、前年比4%減の7047億4500万円となった。20年度は新型コロナウイルスの猛威にさらされており、さらに大幅な落ち込みが予想される。
沖縄観光コンベンションビューローの試算によると、20年の観光客数は前年比61・5%(625万4千人)減の391万人になる見込みだ。試算通りとなった場合の観光収入は、19年度の半分以下の約3千億円という計算になる。
沖縄のリーディング産業である観光収入の減少は、県経済への影響が大きい。ホテルやレンタカー、観光施設などの観光客と直接関わる業種だけでなく、ホテルのリネン会社や飲食店、食品卸業者など、多岐にわたる関連産業にも影響が出る。
観光収入の減少によって企業の売り上げや利益が減少すれば、労働者の賃金低下を招き県民消費がさらに落ち込むという悪循環につながりかねない。
4、5月の入域観光客数は過去最大の減少幅を記録した。さらに観光シーズンの8月を直撃した感染拡大によって旅行のキャンセルは増え、9月末までの休業を決めたホテルも出てきている。収入低下が長期化し、観光関連産業の中には危機的状況に追い込まれている事業者も少なくない。
国は観光業を支援する目的で「Go To トラベル」を始めたが、感染の拡大により人の動きは鈍りつつある。窮地に立たされる観光業界からは、直接支給による支援や、融資の追加、返済の猶予など経営支援を求める声が上がっている。感染拡大防止と経済を両立するためにも、行政などの速やかで強力な支援が求められる。
(中村優希)