西表島で新たに2人感染 1人は町職員 医療脆弱「怖い」「祈るだけ」


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西表島(資料写真)

 【竹富】沖縄県八重山事務所と八重山保健所は6日、竹富町西表島で新たに10代と50代の男性2人の新型コロナウイルス感染が確認されたと明らかにした。2人は6日の県発表分には含まれていない。町は同日夜、50代男性は現地勤務の町職員だと発表した。西表島の感染者は合計3人となった。

 2人は4日に西表島西部で感染が確認された10代男性の家族。5日夜に発熱などの症状が出たため、海上保安庁の警備艇で県立八重山病院に移送し、抗原検査で陽性が確認された。いずれも重症ではないという。

 町は感染者と濃厚接触した可能性のある人に自宅待機を求めるとともに、島全域の住民に不要不急の外出を控えるよう要請した。保健所の追跡調査を踏まえた上で、濃厚接触の疑いがある人の検体を現地で幅広く採取する方針を示した。

 島の医療体制は脆弱(ぜいじゃく)で、感染拡大の不安が高まる。回復してきた観光への影響を懸念する声も上がる。

 西表島西部で宿泊業を営む上亀直之さん(64)は「観光客ではなく住民が感染しているので、いろいろなところに広がっていないかが不安だ。スーパーに行くのも怖くなっている」と話す。島の医療機関は西部と東部に1カ所ずつある診療所のみ。「島には高齢者も多い。広がらないことを祈るだけだ」と話した。