【伊江】在沖米海兵隊第1海兵航空団は7日、伊江島補助飛行場で米軍が実施していた滑走路や着陸帯の改修工事が終了したことをフェイスブック上で発表した。離島などを占拠して攻撃・補給の拠点にする米軍の作戦構想「EABO(遠征前方基地作戦)」の訓練を実施していくとしており、同飛行場の訓練強化につながる可能性がある。
米軍は今年2月に改修工事を始め、滑走路(約1600メートル)の表面をはがして再舗装することや、飛行場西側の着陸帯を再編することなどを計画していた。米軍は改修の理由を「島の運用能力を最大化するため」と説明していた。
第1海兵航空団の7日付の投稿では、伊江島補助飛行場の滑走路改修とF35Bステルス戦闘機が離着陸できる着陸帯の存在を挙げて、「遠征前方基地作戦の実戦的訓練を提供する」と強調している。投稿した動画には、改修されたとみられる滑走路でKC130空中給油機が離着陸する様子などが収められている。
工事は米軍工兵隊などが実施し、7月中旬に完了したとみられる。伊江村には米軍から改修終了の連絡は入っていないという。島袋秀幸村長は「まずは米軍から正式に説明を受けたい」と話した。
1972年の日本復帰時に在沖米軍基地の使用目的・提供条件などを定めた日米間の合意文書「5・15メモ」を根拠に、米軍は伊江島補助飛行場でパラシュート降下・投下訓練を続けてきた。
今回改修した滑走路は、主に降下訓練で使用する米軍機の離着陸に用いられている。常駐する航空部隊はいないが、嘉手納基地や岩国基地(山口県)などの所属機が飛来し、降下訓練を実施している。