改修済伊江飛行場「最高の訓練場」 米海兵隊が新たな作戦着手へ


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 在沖米海兵隊は、滑走路などの改修工事を終えた伊江村の伊江島補助飛行場について、新たな作戦構想であるEABO(遠征前方基地作戦)にとって「最高の訓練場」だと評価した。フェイスブック上に投稿した。

 EABOは、海兵隊と海軍が連携して敵陣に向かって前方の離島を占拠し、給油や攻撃の臨時拠点をつくる戦略だ。今年3月に、米海兵隊トップのデビッド・バーガー総司令官が目指すべき将来像を説いた「戦力デザイン2030」で、焦点を当てる構想の一つにEABOを挙げている。

 中国の軍事力の高まりを受けた戦略の変更だが、米海兵隊が自身の存在意義を懸けて取り組んでいる側面もある。パラシュート降下訓練もEABOの一環であり、移動式のミサイルを使った訓練もすでに伊江島で実施されている。

 バーガー総司令官は兵力を1万2千人削減し、航空機部隊や砲兵大隊などを縮小する一方、新たに小規模で即応力のある「海兵沿岸連隊(MLR)」の創設を検討することを示した。この組織再編も、小さな規模で細かく動いて離島を占拠するEABOに関連している。ロイター通信によると、バーガー氏は2027年までにMLRを沖縄に配備する方針を示した。

 米海兵隊が沖縄を重視することで訓練激化の恐れが高まる。一方で、大規模な部隊を縮小し、小規模で分散化された配備体制を目指していることは、敵からの攻撃に弱い基地集中の見直しにつながる可能性もある。