【今帰仁】9日投開票の今帰仁村長選挙で初当選を果たした久田浩也氏(53)に、今後の村政運営について聞いた。
―前回の村長選では899票差で敗れたが、今回248票と僅差での勝利をつかんだ。勝因は何か。
「(新型コロナウイルスの影響で)懇談会などができず、有権者に政策を伝えづらい部分があった。約2カ月間と短い期間だったが、地域を地道に回ったことで伝わったのだと思う」
―村が抱える課題は。
「市町村の財政力を示す財政力指数は、1・0以上で財源に余裕があるとされるが、今帰仁村は0・2ほど。村財政に課題がある。自主財源を少しでも確保し、村民所得を向上させなければならない」
―どのように改善していくのか。
「村内には30万坪(約100万平方メートル)、ディズニーランド2個分の土地が活用されていない。畜産業、菊、スイカ農家は担い手育成事業が成功している。遊休地を担い手となる農家へ結びつけ、農地利用を促していきたい。ふるさと納税をさらに強化し、返礼品により産業振興を推進したい」
―ほかに優先して取り組みたい事業はあるか。
「嵐山ゴルフ場でのテーマパーク構想やホテル建築、クルーズ船寄港など、雇用や新たな経済活動を生み出し、経済のうねりを引き込む」
―新型コロナウイルスの支援策はどのように考えているか。
「まず何をやれるか、各分野の生の声を聞き、精査していきたい。村民と行政との話し合いの場を設け、ふるさとづくりのエネルギーを生み出したい」
―意気込みを。
「村の経済はここ2~3年、閉塞感が漂い続けている。村民の声を受け止め、国とも密に連携し、村財政を立て直したい」
(聞き手・喜屋武研伍)
くだ・ひろなり 1967年8月1日生まれ、今帰仁村天底出身。沖縄大卒。2002年に村議に初当選し、4期務めた。3期目の10~14年は議長に就いた。現在は自営業。