先週に引き続き石垣島でまた県記録が更新された。トカジャーダービーに参加していた石垣島のフィッシングチーム大物釣人(maga―kuwasa)の常深哲也さんは、釣友から“座布団クラス”のトカジャーがいると聞いた伊野田海岸で午前7時ごろから釣りを始めた。潮が緩くなっているポイントにまき餌をすると、ちらほらと餌取りらしき小魚は見えるが、本命の姿は見えない。本命が回遊して来るまで1時間ほどまき餌をし、まき餌と仕掛けが同調するようにポイントを流していると、ウキがスッと沈んだ。
本命の当たりだと確信して合わせると、1・7号のさおが大きく曲がり、右の沖防波堤に向かって猛ダッシュ。さおを精いっぱい立てて走りを止めようとしても止まらない。1~2メートルほどの浅い水深で所々に岩が点在するので、あまり走らせると岩にすれたらライン切れでばらしてしまう。
ハリス4号の強さを信じ、渾身(こんしん)のパワーでさおをためた。すると、頭の上でさおは満月の様に曲がり、風切り音でラインがキーンと鳴り、ようやく走りが止まった。はやる気持ちを抑えながら慎重にやり取りをして、足元まで寄せた魚は“座布団トカジャー”。1発でタモ網に入れに成功したそれは、今までに見たことのない大きさで、沖縄県記録を0・5センチ更新する67・5センチの大型のトカジャーだった。
(おきなわ釣王国社・仲栄真修)