「風の声」を聴け…笛がつなぐ音風景、動画サイトで評判「泣きそうになった」


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オンラインレッスン商店街による動画「風の声が聴こえたら」の一場面

 オンラインレッスン商店街による笛の音色を中心にした楽曲動画「風の声が聴こえたら」(朝木奏多作曲)が話題だ。7月1日に動画共有サイト「ユーチューブ」にアップされ、8月13日現在5500回以上視聴された。演奏には全国の笛奏者とピアニスト、ギタリスト計12人が参加した。演奏者の姿をつなげただけの動画だが、津軽笛や琉球横笛、尺八など多様な笛の音色が流れ、聞く者に各地の風景も思い起こさせる、聴き応え十分な作品に仕上がっている。

 オンラインレッスン商店街は、新型コロナウイルス感染症の影響で公演中止が相次ぎアーティストの現状を危惧した、青森県の津軽笛奏者の佐藤ぶん太が3月に笛奏者仲間らに声を掛けて立ち上げた。例年は公演に追われる実演家からオンラインでレッスンが受けられる。

 沖縄の琉球横笛奏者の澤井毎里子らプロの横笛・しの笛奏者9人をはじめ、計15人が講師を務める。

 楽曲「風の声が―」は、コロナを乗り越えるをテーマにピアニストの朝木が作曲し、演奏者はビデオ会議を通してパートやアレンジを話し合った。

 佐藤は「コロナで下ばかりを見ていたときに、生き生きと意見を交わす仲間の姿に勇気付けられた」と振り返る。完成した楽曲について「みんな自分のフレーズを懸命に演奏するだけでなく、曲全体を意識しつつ、次の人が吹きやすいようにもつないでいた。自然と互いを思いやっている。こんな状況でもここまでできるんだ、と泣きそうになった」と話した。

 「風の声が―」の動画のリンク先はhttps://youtu.be/QVB7V75-ygM。楽曲はダウンロード販売もしている。オンラインレッスン商店街のサイトはhttp://on-l.net/
 (藤村謙吾)