民間療法「しまくとぅば」で紹介 読谷で教材本第2弾


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「読谷村のしまくとぅば」をPRする(右から)松熊加奈子さん、儀保一樹係長、宮城昭美さん=6日、読谷村の村史編集室

 【読谷】地域ならではの「しまくとぅば」を大切にし、後世に継承していこうと、読谷村は2019年度の一括交付金を活用して教材本「読谷村のしまくとぅば2~おばあが語るどぅーよーじょー」をまとめた。シリーズ2冊目となる同書は、古くから生活の知恵として親しまれてきた“民間療法”に焦点を当てた。病気やけがにどう対処してきたか、生活の中で使われたしまくとぅばとじんぶん(知恵)を分かりやすく紹介している。

 子どもの成長や地域の行事に迫った第1弾(18年度発行)が増刷するなど好評だったことから、第2弾の制作を期待する声が多く上がっていた。

 同書は(1)病気と手当て(2)元気の出る食べ物(3)病気や介護に関する言葉(4)病院でのしまくとぅば―の4部構成。例えば「頭痛(ちぶるやみー・ちぶるやん)」の項目では、軽い頭痛は「なまちぶるやん」、頭が割れるようなひどい痛みは「わりやん」と表現するなど、しまくとぅばを使った用例を紹介。

 症状を和らげる食べ物として「かちゅーゆー」の作り方や、昔から暮らしに役立つとして家の周りに植えられた植物なども、イラストをふんだんに取り入れて紹介している。

 村史編集室の松熊加奈子さんによると「読谷山シマクトゥバ愛(かな)さする会」のメンバーらの協力を得ながら、読谷村史や字史などさまざまな文献を参考にしたという。調査員として携わった宮城昭美さんは「本の作成を通じておじい、おばあが普段からいかに病気にならないよう予防に力を入れていたかが分かった。現代の健康志向に通ずるものがたくさんある」と目を輝かせた。儀保一樹係長は「独特の言い回しや表現までこだわった。しまくとぅばの豊かさを感じてもらいたい」と多くの活用を呼び掛けた。

 全32ページで、1000部発行。県内の図書館や市町村史担当部署、教育関係機関などに配布する。問い合わせは読谷村史編集室(電話)098(958)2142。