政府、沖縄のコロナ患者の県外搬送を検討 要望で自衛隊医官派遣も


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新型コロナウイルスの顕微鏡写真

 【東京】加藤勝信厚生労働相は17日、厚生労働省内で会見し、新型コロナウイルスの感染拡大が続く沖縄の医療提供体制に対する支援策を発表した。看護師や保健師の確保に向けた支援のほか、県から要望があれば自衛隊の医官や看護官の派遣を検討する。感染拡大が続いた場合に備え、防衛省と連携して患者の県外搬送の検討を進めるとした。加藤氏は16日までの1週間で沖縄の新規感染者数(人口10万人当たり)が33.86人と高い水準で推移し「医療体制の確保が急務だ」と述べ、対応を急ぐ考えを示した。

 厚労省は沖縄に対する人的支援として、同日時点で厚労省職員6人、クラスター(感染者集団)対策の専門家6人の計12人を派遣している。
 
 業務が逼迫(ひっぱく)している保健所への応援も検討しているが、現場の混乱もあって、まだ必要な人員が固まっていないと説明した。まずは保健所支援の専門家を派遣して受け入れ計画の策定を進めるとした。

 保健師の派遣を巡っては、厚労省は既に関連学会などの協力を得て応援派遣が可能な有資格者をリストアップしており、実際に派遣する際の調整も担う。

 看護師や保健師の応援派遣は、県から要請を受けた全国知事会が検討を進めており、進展状況を踏まえて対応を検討する。保健師については、感染が広がる他の都道府県にも必要に応じて派遣を検討する方針だ。

 また、人工心肺装置「ECMO(エクモ)」の利用者は現在県内にいないものの、今後増えた場合に備えてエクモを扱える専門人材を沖縄に派遣する準備も進めているとした。