宮古島産「日本一早い新そば」首都圏セブンで限定発売


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宮古島産そばを使用したセブン―イレブンの「大盛もりそば」

 セブン―イレブン・沖縄(久鍋研二社長)は昨年7月の沖縄出店に合わせ、宮古島産玄そばを使った「もりそば」を県内店舗で販売した。約1カ月で完売するほどの人気商品で、今年は原材料を5倍確保し、販売量を増やしている。さらに「宮古島産そば」をアピールするため、18日から首都圏の一部で数量限定販売を始めた。同社は「沖縄の良質な原材料を県内外に発信することで、農家の活性化にもつなげたい」と話している。

 宮古島産のソバの収穫は日本一早く、4~5月。冷たいそばの需要が高まる夏場に新そばを提供できるのが最大の強みだ。宮古島産のソバの実を製粉している熊本製粉によると、味、香り、粘り、弾力など他生産地と比較しても品質は高いという。鶴田正和CVS営業部長は「梅雨や台風前に収穫できるので安定性も高い」と評価する。

一面に咲いたソバの花=3月、宮古島市上野(立山農産提供)

 セブン―イレブン・沖縄は昨年は12月までの販売を予定していたが、予想以上に売れ行きが良く、1カ月で完売した。森山英樹商品本部長は「今年も安定して売れており、リピートするファンがついている」と分析する。

 首都圏での限定販売は「和そばを食べ慣れた人に受け入れられるか試したい」という狙いもある。森山部長は「全国2万店で宮古島のそばが使えるようになると、農業の活性化や県産原料の事業拡大にもつながる」と期待する

 10年前からソバの実の産地としての宮古島の可能性に注目し、取り組んできたのが立山農産(熊本県)だ。立山和宏社長は品種、種まきの時期を試行錯誤しながら、生産を拡大してきた。「水を通しやすい地質で無駄な成長を促さないため、味が落ちない」と指摘し、宮古島の土壌の良さがソバ栽培に適していると説明する。生産農家を増やし、特産物にしていきたい考えだ。

 立山農産と連携しソバを生産する宮古島穀物生産組合(新里五尾組合長)はサトウキビ収穫後の休耕畑を借りてソバ作りに励んでいる。新里組合長は「セブン―イレブンのような大手に扱ってもらえるのはうれしい」と喜ぶ。「60日で収穫できるのは魅力的だが、規模を大きくしなければ、機械などの投資コストに見合う収入を得ることができない」と課題も挙げた。

(玉城江梨子)