「おきなわ彩発見」リゾートホテル利用が8割 都市型ホテル、小規模施設は恩恵限定的


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 県文化観光スポーツ部はこのほど、新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受ける観光事業者への支援策として、県民による県内旅行を促進する助成事業「おきなわ彩発見キャンペーン」の第1弾の利用状況をまとめた。キャンペーンの適用を受けて販売された旅行商品1万9936件(7月27日時点)のうち約8割が、リゾートホテルなどの大型施設に集中した。低価格帯の小規模施設や都市型のホテル、宿泊以外の観光関連施設には事業の恩恵が限定的だった。

 キャンペーンの第1弾は、宿泊を伴う県内旅行に県が1人最大1万5千円を助成した。6月5日に販売が開始され、1週間で受け付けを終了する旅行社もあるなど盛況だった。予算は5億円で、参加旅行社52社のほとんどが約1カ月で販売を終えた。

 利用された宿泊施設を形態別に見ると、リゾートホテルが81%を占めた。宿泊特化型ホテルが12%、シティーホテルが5%だった。民宿やゲストハウスなどの利用はほとんどなかった。高価格帯のホテルが割引になるお得感から、県民の間でもリゾートホテル人気が圧倒的だった。

 市町村別では、リゾートホテルが多く立地する恩納村が全体の43%を占め、名護市の13%が続いた。3番手以降は那覇市と宮古島市がそれぞれ7%など、上位との隔たりが大きい。

 県は観光施設や飲食店の利用と組み合わせた商品づくりを旅行社に要請していたものの、準備期間の短さなどから宿泊プランだけの販売が中心となった。休業していた観光施設も多く、波及効果は薄かった。

 県は現在、キャンペーンの第2弾を実施しており、第1弾で補助の対象とならなかった6千円未満の宿泊商品にも半額を補助するなど方法を切り替えた。

 第2弾の予算1億5千万円のうち、20日時点で約75%が販売済みとなっている。一方で、那覇市の宿泊事業者は「やはりリゾートが早々に売り切れ、低価格帯は売れ残っている。あまり第1弾と変わらない」と話す。

 観光産業の支援策の目玉として実施したキャンペーンだが、関係者からは「沖縄は観光が主要産業と言うが、これ以外に支援はほとんどない」との指摘もある。北部のホテル事業者は「Go Toトラベルに、上乗せで補助を出すような県独自の需要喚起策をお願いしたい」と話した。