過労死、沖縄で3人 19年度労働局まとめ 労災補償14件 長時間労働で脳、心疾患も


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 沖縄労働局がまとめた2015~19年度の「過労死等の労災補償状況」によると、19年度の労災補償の支給決定は14件だった。そのうち、脳・心臓疾患は5件で、その全てが1カ月当たりの時間外労働時間が過労死ラインを超える80時間以上だった。死亡は3人だった。精神障がいは9件で、過労死ラインを超える時間外労働や業務上の極度な心理的負荷により、2人は自殺(未遂を含む)した。

 労災の補償請求は19件で前年度より25件減少したが、労災補償課は「労災の発生件数は減っている感じはしない」としている。19年度の脳・心臓疾患の請求は7件だった。業種別では廃棄物処理や清掃、自動車整備業などが5件、宿泊・飲食サービス業が2件だった。

 精神障がいの請求件数は12件。業種別では卸・小売業が4件、他に分類されないサービス業が3件、建設業、医療・福祉業でそれぞれ2件、宿泊・飲食サービス業が1件だった。

 支給決定した14件のうち、雇用形態は正社員が13人を占めた。

 同課の担当者は「脳・心臓疾患や精神障がいは期間を積み重ねて発症する。どこが労災になるかは難しい」と述べ、労災と認めるには「基礎疾患の影響がなかったか、どれくらい残業があったか調査が必要」と説明した。このため、請求から補償の支給決定に至るまで時間を要するという。