オンライン「できる」10% 休校中の学習、小中校で対応進まず 再開後は多忙化に拍車 


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努

 新型コロナウイルスが教育現場へ及ぼす影響を調べるため、琉球新報社と沖縄教職員組合(沖教組)、県高等学校障害児学校教職員組合(高教組)は21日までに、共同で教職員アンケートを実施した。休校した場合、オンライン学習に対応できるか聞いたところ、「十分対応できる」「ある程度対応できる」との回答が高校・特別支援学校で計59.9%だったのに対し、小中学校は計9.9%だった。学校再開後の勤務時間について小中の38.5%、高校・特支の38.9%が「長くなった」と回答し、いずれも多忙化していることが分かった。 

 高校・特支はコロナ禍以前からオンライン学習に取り組んでいた学校もあるため「対応できる」と答えた割合が高かったとみられる。「あまりできない」は35%、「全くできない」は5%だった。

 小中学校は「全くできない」が57.3%、「あまり対応できない」は32.9%だった。「ある程度できる」は8.4%、「十分できる」は1.5%だった。高校と比べて学校のICT(情報通信技術)対応が不十分なことや、活用できる人材の不足などが影響しているとみられる。

 勤務時間は高校・特支、小中共に「長くなった」が約40%、「変わらない」が約60%だった。学校現場はコロナ禍以前から長時間労働が問題となっており、過重労働に拍車が掛かったことがうかがえる。「短くなった」は高校・特支が2.2%、小中が1.7%にとどまった。

 行政による感染症対策の支援について「全くできていない」「あまりできていない」と答えた割合は、高校・特支で60%、小中で68.6%に達した。消毒作業など現場任せになっている業務があり、不満が募っているようだ。

 アンケートは7月上旬から8月上旬にかけて実施した。小中の教職員が加盟する沖教組、高校・特支の教職員が加盟する高教組を通じて県内の教職員にアンケート用紙を配布したほか、ウェブで回答を受け付けた。小中641人、高校・特支329人の計970人から回答を得た。