コロナで業務増大、疲弊する教職員 「3密防止」負担重く、児童生徒のケア後手に


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 琉球新報、沖教組、高教組の3者が共同で実施した教職員アンケートでは、コロナ禍で業務に追われて疲弊する教職員の姿と、十分な学習ができない上に数々の行事の中止で精神的に落ち込む児童生徒の姿が浮かび上がった。相次ぐ休校や自粛の影で教職員も児童生徒もSOSを発している。
 
 新型コロナウイルスの感染防止対策が教育現場の大きな負担になっていることが、教職員アンケートで明らかとなった。教職員らは消毒作業などさまざまな業務をこなす必要があり、児童生徒のケアをする時間を確保することも難しくなっている。

 「学校再開後の業務で負担に感じていること」(複数回答)という質問に対して、小中学校の教職員は「消毒作業や換気など3密を防ぐ対応」が79・8%で最多だった。「検温やマスク忘れの対応」が77・5%、「教育課程の見直し」が45・9%と続いた。高校・特支の教職員は「消毒作業や換気など3密を防ぐ対応」が71・7%で最多だった。「オンライン学習への対応」が63%、「児童生徒の検温やマスク忘れの対応」が55・3%となった。

 「児童生徒の心のケアをするための時間は確保されているか」との質問に、「勤務時間内外問わず確保されていない」と回答した教職員は小中で34・2%、高校・特支で38・6%となり、生徒と向き合う時間の確保に難しさを感じている様子がうかがえる。「勤務時間内に確保されている」と回答した教職員は小中で40・7%、高校・特支で30・8%。「勤務時間外に行っている」と回答した教職員は小中で15・2%、高校・特支で18・8%だった。

 「学校再開後、負担に感じていること(働き方を含めた学校全般)」の自由記述に、小中の教職員は「マスクや検温チェックのため、職員の出勤時間が自然と早くなった」や「学習の遅れを取り戻すため、普段より教材研究に時間がかかる」などの意見があった。高校・特支の教職員は「オンライン授業の準備が負担に感じる」や「対策や準備、検討などの時間が増え、負担が大きい」などの意見があった。