「教員は疲弊している。助けてください」。本島中部の小学校に勤める男性教諭が琉球新報のインタビューに応じ、コロナ禍で多忙に拍車が掛かっている学校現場の窮状を訴えた。
教諭の勤める学校は出勤時間が通常より1時間以上早まった。家庭での検温を忘れた児童をチェックするためだ。忘れた児童がいれば担任が検温する。「3分の1くらいは忘れる子がいる。検温している間は教室を空けているため、いつ事故がおきてもおかしくない」と語る。
給食前後の机の消毒、定期的な換気など、感染予防のための業務は増えたが、各種報告書の作成など普段から実施している業務の削減はない。宿題の丸付け、テストの採点などはわずかな隙間の時間でこなす。「給食は3分で流し込む。それが日常になっている」
県教育委員会、市町村教育委員会からのアンケートも例年通り行われる。全く同じ内容のアンケートを両方から依頼されることもあり、職員室では「また!」と悲鳴が上がるという。
文部科学省が中止した学力テストも県内では実施され、市町村教委独自のテストも行われた。「児童はただただテストをさせられ、かわいそうだ。やることだけが目的になっている」と指摘する。テストの実施は学校長判断に委ねられたが「校長も無言の圧力を受けていたはずだ。学校長判断という言い方はひきょうだ」と批判した。
密な状態で開かれる職員会議もあり、自身が感染する不安もつきまとう。他の学校は5月ごろからオンライン会議に切り替えていたが、教諭の学校は校長や教頭が渋り、導入が遅れた。「管理職の意識を変えないと先生も子どもたちも危ない。行政は管理職の意識改革に努めてほしい」と訴えた。