沖縄にもクルーズ運航、ゲンティン香港が債務不履行 造船費用支払えず


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 世界中でクルーズ船を運航するゲンティン香港(本社・香港)は19日、グループ全体の金融債権者への支払いを一時停止することを発表した。同社子会社のドリームグローバルワンリミテッドとドリームグローバルツーリミテッドが、船舶造船にかかる費用について、債務不履行(デフォルト)に陥っている。新型コロナウイルスの影響でクルーズ船運航が停止するなど厳しい経営状況となっている。今後、グループ全体の債務の再編を進めていくという。

 ゲンティン香港は、本部港のクルーズターミナル整備に関わっている。ターミナル整備への影響について、琉球新報の取材に担当者は「今後どのようになるかは回答できない」と話した。官民連携でインフラ整備を進める本部港の国際クルーズ拠点化事業は、岸壁を県が、ターミナルビルをゲンティン香港が整備する。2020年度に岸壁とターミナルビルの整備を完了させ、当初の予定から1年遅れとなる21年度の供用開始を目指しているが、ゲンティン香港が担当するターミナルの工事はまだ始まっていない。県港湾課は「今は(状況を)確認中だが、ゲンティン社に不測の事態が生じた時には国と協議することになるかもしれない」と話した。

 ゲンティン香港が運航する沖縄関係航路のクルーズ船は運休が続いており、再開のめどは立っていない。

 台湾では域内のクルーズ船運航を再開しているといい、担当者は「沖縄の感染状況が落ち着けば、台湾間との運航から再開することを望んでいる。早く戻したいが、新型コロナの状況による」と話した。