放送室から全校生徒へ リモートで絵本の読み聞かせ 「くれよんの会」が朝10分の工夫 中城小


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リモートで読み聞かせした「くれよんの会」のメンバー=13日、中城小学校

 【中城】中城小学校で13日、読み聞かせサークル「くれよんの会」によるリモート読み聞かせが行われた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、放送室からモニターを通して一斉に配信し、児童との接触を減らした。朝の10分間の工夫を凝らしたボランティア運営に、学校から感謝の声が上がった。

 休校や活動自粛で、20年間続く週1回の読み聞かせも中断を余儀なくされた。児童も長引く自粛で思うように遊べず、制限される日々を過ごしていた。そこで「絵本の読み聞かせを聞いているひと時だけでもストレスの軽減になれば」と感染症対策を整え、初の試みに取り組んだ。

 27人の会員のうち4~5人で放送室から全校児童へ読み聞かせを行った。読み手、撮影者、モニターチェック、音声係が思いを込めて「スイミー」の絵本を発信した。

 石川鈴さん(4年)は「くれよんの会の皆さんが教室に来られなくても、テレビを使って学校のみんなに会いたいと思う気持ちがうれしかった」とはにかんで答えた。崎濱陽子校長は「地域の方々の頑張りは、児童や教職員にとっても勉強になる」と語った。

 会員らの打ち合わせは感染予防も考慮し、SNS(会員制交流サイト)で行う。読み聞かせ当日、放送室で1回限りの本番を迎える会員らは、連携の強みを自信に変え、地域の子どもたちとのつながりを楽しみながら絵本の魅力を伝えていく。
 (儀間由紀美通信員)