沖縄の旧盆、コロナで様変わり オードブルは小さめに、お中元はネットで 親戚回りも「自粛」


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旧盆のオードブルを注文する来店客=26日、イオン南風原店

 31日は旧盆のウンケー。沖縄の旧盆と言えば、お中元を持参して訪問し、仏壇に重箱を供え、集まった親戚でオードブルを囲む姿が一般的だが、コロナ禍の今年は様子が異なっている。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、大人数で集まることを控える家庭が多くなっているため、今年のオードブルや重箱は「小さめ」が売れ筋だ。
 あいあいケータリング沖縄(宜野湾市)によると、例年は5~6人用のオードブルを複数台購入する客が多いが、今年は3~4人用と小さいものを1台だけ購入する客や「取り分けは感染が心配」という理由で弁当を注文する客が増えている。
 平良幸マネジャーは「予約は例年の4割。大打撃だが、注文してくれるお客様のために柔軟に対応したい」と話す。宅配の要望も多いため、配達可能エリアを広げた。
 上間弁当天ぷら店(沖縄市)は、集まる人が減ることを見込んで、おかず5品ともち5個が1箱にまとまった「上間式 まごころ重箱セット」を販売した。重箱全体の予約のうち、3割が同セットと好調だ。
 親戚宅を訪問するのを控える人が多いため、お中元は「ネット注文」や「配送」がトレンドとなっている。デパートリウボウはECサイトでの売り上げが前年の2・4倍に増えた。同社は「ギフトセンターの来場者は減ったが、その分ECにシフトした」と見る。例年はギフトセンターで購入した商品を持ち帰る客が多かったが、今年は配送にする客が増えた。
 イオン琉球もお中元のネット販売が2倍に増えた。店舗で注文し、配送するケースも例年より2割ほど増えている。
 重箱やオードブルのネット注文も受け付けており、南風原店と那覇店ではネットスーパーで注文し、ドライブスルーで受け取れるようにした。旧盆中は承り可能件数を通常の3倍に増やして対応する。南風原店の野原陽子副店長は「いつもとは違うお盆だが、先祖を思う気持ちは変わらないだろう。気持ちに応えられる提案をしていきたい」と話した。  (玉城江梨子)