有機フッ素化合物追加 環境省19年度 米軍基地周辺の環境調査


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米軍嘉手納基地=2019年(資料写真)

 環境省が毎年実施する米軍基地周辺の環境調査で、発がん性などのリスクが指摘される有機フッ素化合物PFOSとPFOAが2019年度から新たに調査項目に追加されたことが27日までに分かった。同省が今年6月に公表した資料によると、調査は20年2月に米空軍嘉手納基地周辺の大工廻川と嘉手納町の湧水「シリーガー」 などで実施した。

 北谷浄水場の水源でもある大工廻川ではPFOSとPFOAの合計で1リットル当たり1508ナノグラムを検出し、厚生労働省が4月に決めた水道水中の暫定目標値同50ナノグラムの30倍に達した。

 環境省と厚労省は今年6月、PFOSとPFOAに関する目標値の設定に伴う手引きを定めた。飲用水源で高い値が検出された場合は「排出源特定のための調査を実施」するなどの措置を検討する内容。一方、環境省として米側に立ち入り調査を求めているかについて同省は「申請したかどうかを含めて明らかにしない」としている。

 環境省はPFOSとPFOAを調査項目に加えた理由について「(両物質は)19年度から全国調査も実施しており、その流れの一環だ」と説明した。 (島袋良太)