沖縄のコロナ第2波 高齢者の感染、1カ月で20倍に 死亡者も相次ぐ


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 沖縄県が27日に発表した新型コロナウイルスの新規感染者は36人で、県内の累計感染者数は2千人を超えた。4月までの「第1波」で7人だった死者は7月以降の「第2波」で19人と約2・7倍となる。70代以上の高齢者の新規感染は連日確認され、高齢者が感染後に死亡するケースも目立つ。

 7月以降の新規感染者のうち、7月31日時点で5人だった70代以上の高齢者は8月27日時点で117人。

 「7月後半に患者が少し出ていた時点で、早めに緊急事態宣言を出すことも対策の一つだったかもしれない」。県の糸数公保健衛生統括監は、県の想定を上回って感染が拡大したことを受け、こう振り返った。その上で「爆発的に増える兆候に気付くべきだったかもしれないが、全国的にも同じような形で推移していた。人の行動を抑制するタイミングは検証しないといけない」と行動制限の難しさを吐露する。

 直近の新規感染者数は20~30人台で推移するが、県内の医療従事者の間では新規感染者数の目標を「ゼロにすべきだ」との声も上がる。緊急事態宣言の解除や延長が28日にも判断されるが、県も保健医療の視点からゼロにするための対策を取る重要性を指摘。糸数統括監は「政策の選択になる。それぞれの立場でいろいろな意見があるので、総合的に判断する」と語った。