風速50メートルならトラック横転 台風9号、大潮重なり高潮懸念


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
暴風で転倒する自動車=2018年9月29日午後3時40分ごろ、那覇市おもろまち

 非常に強い勢力で沖縄地方に接近する見込みの台風9号。最近の台風では2018年の24号が最大瞬間風速50メートル超の猛烈な風で50人以上が重軽傷を負い、約25万戸が停電するなどの被害が出た。今回の9号は最接近する31日から9月1日にかけて、これを上回る中心付近の最大風速50メートル、最大瞬間風速70メートルが予想されており、沖縄気象台では厳重な警戒を呼び掛けている。

 気象庁によると、瞬間風速は50メートルを超えると走行中のトラックは横転し、樹木や電柱が倒れ、ブロック塀の倒壊が起きることもある。60メートルを超えると住宅の倒壊も起きるという。

 また今回の台風は旧盆の大潮の時期と重なり、高潮被害も懸念されている。18年の台風24号では高潮、高波のため本島中南部や渡嘉敷島で浸水被害が起きた。沖縄気象台の調査で、この高潮発生時の最高潮位は南城市玉城奥武で標高約3・4メートル、沖縄市泡瀬では約2・1メートルに達していたことが分かった。嘉手納町水釜では高波による浸水の高さは約3・8メートルだった。

 沖縄気象台では「過去に被害が出ている地域は特に注意してほしい。道路の通行を含めて海に近寄らず、状況を見て早めに避難を」と呼び掛けた。