お墓「継承する」4割、少子化で墓じまい需要増か 県メモリアル協調査


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 公益財団法人県メモリアル整備協会がまとめた「沖縄のお墓事情アンケート調査」で、墓を「継承する」と答えた割合は県民では約4割、識名地区(那覇市)の参拝者では約7割に上った。一方で、子世代への墓の継承を考えていない親世代も約1割いることから、同協会は「永代供養や継承者がいなくても安心して利用できる墓に関心を持つ層もいる。少子化の進展に伴い、今後、改葬や移転、墓じまいの需要が高まる」と考察している。

 調査はSDGs(持続可能な開発目標)の取り組みの一環として、ウェブ上で県民400人、識名地区参拝者の346人から回答を得た。墓の継承について、ウェブ調査では「継承する」が24・5%、「すでに継承している」が10・3%、「継承するつもりだが、修復や移転をしたい」が5%となり、4割は墓を継承する考えを示した。

 一方で、「継承しない」が4・5%、「墓じまいする」が1・8%で、「分からない」とする層も4割以上に上っている。

破風型の大型墓

 購入「伝統的な墓」は3割

 子どもへの墓の継承について、ウェブ調査では「継承させない」が3・8%、「墓じまいさせる」が3・5%に上った。識名地区参拝者では「継承させない」が7・2%、「墓じまいさせる」が3・6%となった。自身が購入する墓地のタイプについて「沖縄の伝統的な墓」を選択する層は約3割にとどまり、ニーズが多岐にわたっている。

 同協会は墓を継承しない層や「分からない」とする回答が多いことから、無縁化する墓の増加に懸念を示している。無縁化を防ぐために(1)個人墓地の墓と土地の所有権登記を適切に行う(2)既存の個人墓地に対する管理(3)新設の墓地について行政局認可の必要性の周知(4)無縁化する前に改葬や墓じまいを啓もうする―の対応策を示した。