コロナ対応の看護師95人、濃厚接触などで休業 病床稼働できず


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 沖縄県は29日、新型コロナウイルス感染症の患者を受け入れている医療機関で、同日時点で病床確保のために必要な看護師が95人休業しており、病床数の減少につながっていると発表した。このため、新型コロナの感染状況を示す七つの警戒レベル判断指標の「病床占有率」が74.1%となり、28日の69.4%から4.7ポイント上昇した。「病床占有率」の警戒レベルは「感染流行期」を示す第3段階から「感染蔓延(まんえん)期」の第4段階に移行した。

 29日の新型コロナの新規感染者は31人で、累計感染者数は2084人となった。米軍関係の新規感染者は11人で、28日(11人)に続いて10人を超えた。

 県によると、29日時点の病床数は371床で、入院者数は275人だった。入院者数は28日の268人から7人増え、一方で病床数は同日の386床から15床減少した。

 県の糸数公保健衛生統括監は病床数が減った理由について「休まざるを得ない看護師が95人いる」として病床を稼働させるための看護師の不足を指摘した。

 新型コロナの感染者の対応に当たったことで、濃厚接触者として自宅待機を命じられたり、体調を崩すなどして休業を余儀なくされているケースがあるという。

 糸数統括監は病床数確保に向け「県外からの支援も受けて病棟に入ってもらっている」と説明。県内外から看護師を確保し「必要に応じて支援を投入していく」としている。

 米軍関係の新規感染者は嘉手納基地5人、普天間飛行場1人、キャンプ・キンザー1人、キャンプ・フォスター2人、キャンプ・コートニー1人、キャンプ・シュワブ1人の計11人が確認され、累計394人となった。

 2日連続で10人を超えた点について、糸数統括監は米軍内でのPCR検査数の拡充を理由に挙げ「その他の要因がないか米軍に問い合わせている」とした。