ウートート「集まらなくてもOK」コロナ禍の旧盆、代理や時間差を


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 新型コロナウイルスの感染拡大で自粛ムードが強まっている今年の旧盆。祖先を大事にする県民性だからこそ、「やる」「やらない」「行く」「行かない」の2択で頭を痛める県民も多い。沖縄の年中行事や供養に詳しい関係者は実施しないことも選択肢の一つとした上で「それでもやらないのは少数派だろう。3密を避けながら、祖先をきちんと敬う方法はある。工夫しながら過ごしてほしい」と呼び掛けた。

 コロナ禍の中でどうしたらいいか、相談が増えているという沖縄市の球陽寺の帰依龍照前住職。「遠くにいても仏壇に向かって手を合わせたら出席したとなる。誰かに代わりに焼香してもらう代理焼香も本人がやったことになる」と助言している。

 最も人が集まるウークイについて、今年は代表が親族から線香やウチカビを預かって見送りをする方法を推奨。それでも気になる人は時間を変えて仏壇に線香を上げに行くことを提案した。時間も数理的文化の点から午後5~7時も可能として、早めにウサンデーして解散することも3密を避ける対策の一つとした。

 一方、やらない場合は日延べ対応が可能という。「仏壇に向かって伝えるといい。コロナが収まった時に、と報告して」と勧めた。

 県メモリアル整備協会の東恩納寛寿外部連携・終活支援部長も「永代供養も同じ。ライフスタイルに合わせて変化している。今年の旧盆はこれを機会に作法を学びながら、オンライン活用などいろいろ工夫してみてはどうか」と前向きに捉えた。

 さらに今年は神様の目が届かないとされる「ユンヂチ」でもある。例年通りでなくても「ユンヂチやいびーさい」と気を張らずに旧盆を迎えられそうだ。