日本ハンドボールリーグ(JHL)が29日、開幕した。琉球コラソンは愛知県の豊田合成健康管理センターで昨季3位の豊田合成と戦い、25―34で敗れ、黒星発進となった。
ベテランの棚原良や主将の東江太輝がパス回しの起点となり、ゲームを組み立てた。そこから若手が豊富な運動量で攻め立てた。前半を15―17で折り返したが、後半は連続得点を許しペースを握られた。パスミスからの失点や、単調な攻撃パターンから攻めあぐね、前半のような得点力を発揮できなかった。
次戦は30日午後1時から、愛知県のウィングアリーナ刈谷で昨季4位のトヨタ車体と戦う。
◇試合の安定感課題
開幕戦を勝利で飾ることはできなかったが、若手選手が躍動し、得点源になるという収穫もあった。
新加入の峰岸勁志郎が最多の5得点を稼ぎ守備でも貢献。佐藤草太も4得点で勢い付けた。
前半29分、相手守備を完全に崩す理想のプレーも出た。佐藤と村田龍、東江が交錯しながらパスを回すダブルクロスで守備を翻弄(ほんろう)。最後は東江が滞空時間の長い跳躍から確実に得点した。
東江は後半、守備でも気迫のプレーを見せた。無人となったゴールへ放たれたロングシュートを6メートルラインから身をていして必死に防いだ。東江は「これからも闘志を前面に出していく」と熱い。攻撃の起点となった棚原は「後半はミスが多かった。攻めも単調になってしまった」と悔やんだ。
昨季9位のコラソンにとって、ほとんどのチームが格上となる。勝利へ向けて重視するのは攻撃力。点を取られても手を緩めず、攻める姿勢を貫く意識を共有してきた。
東長濱秀作監督は、「前後半を通して安定的な試合運びができなかった」と反省点を挙げ、次戦以降の修正点とした。
◇けがから復帰 佐藤が4得点
佐藤草太がコートに戻ってきた。開始早々、抜群の瞬発力から先制弾。前半に4得点を挙げ、けがからの復帰を印象付けた。
昨季、試合中に右膝前十字靱帯(じんたい)を負傷し、全治10カ月の診断。手術を受け、リハビリに励んだ。「ひざに違和感はなく、万全の状態で臨めた」とけがをした時と同じ会場での戦いに気合十分だった。後半は無得点に終わり「パス回しが遅くなっていた」と反省も。
プレーできる喜びをかみしめつつ「機動力を攻撃に生かし、チームに勢いをもたらしたい」とシーズンを通しての活躍を誓った。