住宅街の道路30センチ冠水 沖縄、台風影響で満潮、高潮で水位上昇か


この記事を書いた人 Avatar photo 宮里 努
自宅近くの道路が冠水する様子を眺める男性ら=1日午後7時13分、北谷町砂辺の住宅地

 本島地方や宮古島地方などを暴風域に巻き込んだ台風9号。最大で3万7千戸超が停電し、一部地域では復旧作業が続く。バスやモノレールなどの公共交通機関も終日運休、倒木や冠水で通行も規制され、旧盆中の県民生活に大きな影響を及ぼした。北谷町や嘉手納町の海岸沿いや河川では夕刻の満潮時、高潮や前日からの大雨の影響で水位が上昇し、北谷町の住宅街で道路が冠水する被害が発生した。 

 【中部】北谷町砂辺の町民農園前にある一般道路では高潮と満潮が重なり、1日午後7時過ぎから約1時間にわたり道路が最大30センチ冠水した。海岸に近接するため、排水溝から水位が上昇した海水が地上にあふれ出てきた可能性がある。周辺に住宅地が広がる一帯の交通混乱を防ごうと、現場では沖縄署員が交通整理に当たり、運転手らに回り道するよう促していた。

 冠水した道路の近所に住む男性は「台風が来るたびにこの辺りは冠水する。事故や車の故障の危険性もありうんざりだ」と述べ、町に対し早期に改善するよう懇願した。周辺に30年以上住んでいるという60代女性も「何十年も同じ光景を見ている。台風の多い沖縄で、やはり海岸近くに住むのはリスクがある」と述べた。

 同町の宮城海岸沿いは午後8時過ぎまで荒波が激しく堤防に打ち付け、波しぶきが道路まで流れ込んでいた。海岸沿いの道路も一部冠水し、一時通行止めになった。また、嘉手納町と読谷村を流れる比謝川も前日から続く大雨の影響で、一時水位が著しく上昇する様子が確認された。