「事業環境の見通しが困難」 採用見送りの5企業 コロナ禍で慎重判断


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 琉球新報は2日までに、新型コロナウイルス感染症の影響を受けている2021年度の新規学卒者の採用計画について、沖縄県内売上高上位企業など105社を対象にアンケートを実施した。

 アンケートに回答した企業のうち、定期的に新卒を採用してきた5社が2021年度は採用を見送った。

 日本トランスオーシャン航空は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せず影響の長期化が懸念されることから「今後の事業環境を見通すことが困難」として採用を中止。中止前に内定を通知した整備職3人は予定通り採用するという。

 デパートリウボウを運営するリウボウインダストリーは「コロナの影響は大きいがそれだけが理由ではない。コロナ前から外国人観光客の買い物の仕方が変化し売り上げが減少していることを踏まえ、採用をストップした」と回答した。

 沖縄ヤマト運輸は採用予定はないが「優秀な人材がいれば別途調整する」と回答している。コロナの影響もあるとした上で「新卒の離職率が高いことから、中途採用へのシフトも検討している」とした。

 南島酒販は、20年度の採用が多かったことに加え、コロナの影響で先行きが不透明なこともあり採用予定なしとしている。「採用活動の予定はないが、それでも入社したいという情熱のある学生がいれば検討する」としている。

 沖縄東邦は「コロナの影響が長引き、採用活動が思ったようにできなかった」という。人員に不足感がないことや業界全体の先行きが不透明なこともあり、採用を見送った。