沖縄在来の地鶏「ファートゥヤー」 ジビエ販売目指す 農業生産法人今帰仁アグー


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「琉球古地鶏」を手に持つ髙田勝代表=今帰仁村内

 【今帰仁】沖縄の在来地鶏とみられる「ファートゥヤー(ファードゥイ)」を繁殖している「農業生産法人今帰仁アグー」(髙田勝代表)が、その鶏を「琉球古地鶏」と命名し、ジビエ(フランス語で狩猟肉)として流通を目指している。

 琉球古地鶏は髙田代表が2019年に本島北部で捕獲した鶏の4世代目の成鶏。絶滅したとみられていた在来地鶏に姿が似ていることから、研究機関にDNAのゲノム解析を依頼しているところだ。

 大きさは鶏の白色レグホンの3分の1、チャーンの半分ほどの大きさで、一日中動き回り昆虫など餌をついばんでいるため野趣あふれる鶏の味と評価され、ジビエを調理するホテルや店舗などから問い合わせが来ているという。現在県内を優先に取引している。

 琉球古地鶏を調理した今帰仁村諸志の創作レストラン「ビストロ&カフェ 味熟者」の島塁輝シェフは「鶏というよりジビエに近い肉質で調理が難しい。皮は硬いが味がしっかりしている。可能性がある食材で非常に面白い」と話した。

 髙田代表は「出荷まで半年かかるので大口の取引は難しいが、儀礼行事にも使用してほしい」と思いを語った。(喜納高宏通信員)