北部の救急ヘリ、MESHが2年ぶりに運行 北部事務組合、振興事業を活用


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メッシュ飛行機

【北部】北部12市町村で作る北部広域市町村圏事務組合が10月にも開始する救急・救助ヘリ事業で、NPO法人メッシュサポート(塚本裕樹理事長)がヘリの運航を担うことが3日までに分かった。伊江島空港を拠点に2021年度まで運航する予定。

 同組合は8月31日にメッシュサポートと委託契約を結んだ。メッシュを選定した理由を同組合は「北部でヘリを運航した実績があり、県内他社が対応できなかったため」と説明している。事業では伊江島空港内にヘリの格納施設を新設し、消防の要請を受けて救急搬送する。ヘリには操縦士のほか、医師や看護師も同乗する。ヘリは1機体制の予定。

 メッシュサポートは18年まで名護市を拠点に救急ヘリを運航していた。資金難などでヘリ運航から撤退し、以降は那覇空港を拠点に固定翼機で救急搬送を行っている。2年ぶりとなる北部地区でのヘリ運航に、塚本理事長は「県民の皆さまに応援してもらって事業を続けてきた。守ってきたノウハウを生かして地域に貢献していきたい」と意気込んだ。那覇空港拠点の固定翼機運用は伊江島空港での運航開始後も続ける。

 ヘリ運航の本年度分の事業費は7400万円で8月18日に北部広域市町村圏事務組合議会が事業費を含む補正予算を全会一致で可決した。国が北部振興事業として5900万円(8割)を補助する。同組合は、名護市の県立北部病院と北部地区医師会病院を統合する北部基幹病院設置と平行して、北部地域へのドクターヘリ配備を県に求めていく考えだ。