〈識者談話〉特別支援学級の増加「沖縄の社会問題が背景に」 韓昌完下関市立大副学長


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下関市立大学の韓昌完(ハン・チャンワン)副学長(韓昌完さん提供)

 特別支援学級増加の背景にあるのは、沖縄の歴史や基地問題、貧困、虐待、高い離婚率など沖縄の社会的な問題だ。これらの問題が特別支援学級の設置で表面化した。

 特別支援学級の対象とみなされた子どもの中には、虐待や両親の離婚などで一時的に落ち着きがなくなることがあり、それが情緒障がいと誤解されるケースは少なくない。表面的な行動だけでなく、その子の背景を知る必要がある。

 本来インクルーシブ教育とは共に学びあう場を設定して、包括的な教育を行うことを言う。日本の特別支援教育は多様な学びの場として設置している。しかし、障がいがないにもかかわらず、障がいの特性があると判断されている児童生徒が在籍しているケースがある。特別支援学級が居場所のない子どもたちが行く場所になりつつある。

 学校は子どもたちの居場所をつくり、苦しんでいる子どもに目を向け、幸せな人間になることを目指して教育するべきだ。(特別支援教育)