医療関係者「旧盆の緊急事態延長、意義あった」 解除後の緩み警戒


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 新型コロナウイルス感染拡大に伴い発出していた県独自の緊急事態宣言について、玉城デニー知事が6日からの解除を発表したことに、県内の医療関係者は一定の理解を示した。県内の入院患者数は依然として多く、医療機関は厳しい現状に置かれていることから、感染を抑える対策強化や警戒感が緩まないような方策を求める声も上がった。

 群星沖縄臨床研修センターの徳田安春センター長は「この1週間の宣言延長は意義があった。ある程度の感染拡大は抑えることにつながったと思う」と評価した。その上で社会経済活動を再開すれば、再び感染が広がるリスクがあることを指摘する。「今も市中で感染がくすぶっている。(感染対策と社会経済活動の)両立を目指すなら、今後は医療機関や高齢者施設、ホットスポット(一大感染地)を対象とした防疫目的のPCR検査戦略が重要になる。行政検査も拡充して感染を抑え込んでほしい」と述べた。

 5日まで宣言を延長した県の判断に、曙クリニック(那覇市)の玉井修院長は「評価したい。旧盆と重なったこの1週間の延長は意味があった」と強調する。宣言解除は「ぎりぎりの選択でここまでの延長だったと思う」と理解を示した。医療機関の逼迫(ひっぱく)は続いているため「解除で全て許されるわけではないことを十分に理解してほしい」とし、感染を抑える対策の徹底を県民に求めた。今後について「クラスター(感染者集団)の影響など第2波から学んだことは多い。クラスターを起こさせないために地域でどう取り組むか。県は呼び掛けを続けてもらいたい」と話した。

 別の医療関係者は「県は重症者数や医療提供体制、検査体制など、さまざまな指標を注意深く見ている。県の判断を尊重したい」と語った。