女子サッカーU15 沖縄に全国狙う「黄金世代」2人に注目


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 中高生の競技者数が全国トップクラスの県内女子サッカー。特に今季のU15のカテゴリーは、小学時代に全国準優勝などの成績を残した「ゴールデンジェネレーション(黄金世代)」(関係者)がそろっており、各チームが全国制覇を狙っている。注目選手として、ヴィクサーレ沖縄FCナビィータユースで主将を務める遠山夏海(15)=鏡原中3年=と、「CASA OKINAWA ALE(カーサ・オキナワ・アレ)」のGK宇保ひなの(15)=嘉手納中3年=を紹介する。

(左)ヴィクサーレ沖縄FCナビィータユースで主将を務める遠山夏海=3日、奥武山公園 (右)カーサ・オキナワ・アレで成長著しいGK宇保ひなの=8月26日、豊見城市のフットサルティーダイン沖縄

 遠山は小学1年生で兄の影響でサッカーを始め、小学4年生から毎年県トレセンに選抜されている。小学5年生の時に那覇ガールズのメンバーとしてびわ湖カップなでしこ大会で全国準優勝。昨年は九州女子選手権のU15で準優勝、U18で優勝し、それぞれのカテゴリーで全国にも出場した。

 身長165センチ。FWもこなすが、本職は左サイドバックだ。持ち前の走力を生かして駆け上がり、攻撃に参加する。與座周平監督は「左足はシュートの威力、精度ともに中学生離れしている。責任感が強くチームのまとめ役だ」と評価する。

 ナビィータユースは7月開幕のU15女子リーグ2020九州・沖縄でアレに0―1で敗れた。県大会での久々の敗北だっただけに雪辱に燃えている。守備の切り替えの遅さや決定力の課題に向き合い、九州U15選手権県予選(21、22日開催予定)で優勝し、九州へ駒を進めるつもりだ。遠山は「もちろん九州制覇、全国制覇を目指します」と闘志を燃やす。

 宇保も兄の影響で小学1年生から古堅南FCで競技を始めた。小学6年生の時にプリンセス天妃の選手として出場し、全国少年少女草サッカー大会で準優勝。那覇ガールズでは遠山とも一緒にプレーし、切磋琢磨(せっさたくま)している。元々FWだが、昨年4月に発足したアレにGKがいなかったため、進んで引き受けた。父が元GKだったという影響も大きい。1対1に強く、ロングキックの習得、後方から選手への声掛けを意識的に行うなど著しい成長を見せている。身長163センチと体格にも恵まれている。昨年12月にナショナルトレセンに参加した。沖国大出身の山川涼児GKコーチは「明るく負けず嫌いで、どんどんチャレンジしている」と評価し、その成長スピードに目を見張る。

 アレは県リーグで全勝し、すでに九州の県代表を勝ち取っている。昨年は1回戦で名門・神村学園に敗れた。宇保は「決勝で神村を倒して、全国で1試合ずつ勝ち進んでいきたい」と意気込んでいる。

(古川峻)